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2017年8月

2017年8月 8日 (火)

アナログ現像セットを4万円でお譲りします

フィルム現像のタンク、引き伸ばし機とレンズ、バットと周辺機器をセットで4万円でお譲りします。

実際に仕事で使っていたものですが、デジタル入稿するようになり、使用頻度が激減しましたので、どなたか写真の原点を極めたい方にお譲りします。

このセットで現像してプリントして、原稿入稿したり写真展の見本を作った思い出のセットです。

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引伸機はラッキー90M。

機種としては中級ですが、ようはハサミとなんとかは使いようで、カメラメーカー、写真雑誌の方々、写真展の選考の方々をうならせるプリントを、この90Mでプリントしていました。

引延レンズ2本(ニッコール50mm2,8、80mm5,6)

イーゼル3種類

ネガキャリア(67、66、35、ハーフサイズ、ガラス)

タイマー

精密ネガルーペ

四切りバット4枚

ピンセット、液温度計、ハイポ計

以上のセットです。

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35ネガキャリアは内側を削ってあるので、フルフレームがプリントできます。

35mmで全紙以上の大伸ばしには、平面性が必要なのでガラスキャリアにネガを挟んで、67キャリアに装着します。

その際の35mmマスクは自作します。

アナログの世界は機材を買っただけでは使いこなせません。

ピント合わせは、キャビネぐらいだったら、ピントを合わせて、ランプを消し、イーゼルに印画紙を入れて、ゴミが落ちていないかチェックして、露光となります。

4切り以上のプリントは、ネガが熱くなっている時と冷たい時では、ネガのカールが影響してピンとの位置がずれます。

通常のキャリアでは、ピントを合わせて印画紙のセットに30秒もかかるとピントがずれるのです。

それでガラスキャリアを使うか、通常の素通しキャリアを使う場合、ピント合わせの時と、露光時のピントを同じにしなきゃなりません。

露光のタイミングをとることと、ガラスキャリアを使ってネガのカールを消し去るかどちらかです。

写真の本よ読んでも、写真学校に行っても、こんなことは教えてくれません。

何十年のキャリアがなきゃ言えないことです。

それで、30年近く写真学校の学生有名大学の写真部の学生の写真を見てきましたが、なかなか良いプリントに出くわしたことが少ない。

プロカメラマンだって、某写真学校の講師をされている方のプリントを見ても、、、がっかりすることがあります。

それくらい、アナログのプリントは難しいし、素晴らしいものとそれ以外のものの差が大きい。

レンズは2本、ニッコールで十分に素晴らしい引延しレンズです。

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50mm

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80mm

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どちらのレンズも引延し機に付けて点灯すると絞値に照明が当たります。

第一線で使っていたレンズです。

イーゼルは国産のLPLをメインで使っていました。

4切りイーゼルが2種類、キャビネサイズ&手札&名刺兼用(これが優れもの)の3つ付属しています。

ユニーバーサルタイプはサンダースが有名でしたが、国産品のLPLもそん色ない作りでした。私は基本的に国産品愛用ですから!

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LPLの4切りユニバーサル・イーゼル。

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4枚の羽が自由に動きます。

プロ御用達のイーゼルです。

キャビネ以下に便利な小さなイーゼルもあります。

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この小さなイーゼルは裏表で使えてすごく便利なものでした。

使う時は、軽すぎてテープで動かないように止めます。

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全体を開くことも出来ますが、部分開きも出来ます。

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大伸ばしする前に、小サイズを大量にプリントするときに威力を発揮しました。

露光タイマーは正確なプリントにはマストです。

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私は大きな3ダイヤルと、この2ダイヤルを使っていました。

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引延し機のランプを点灯すると暗室ランプが連動して消灯します。

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分厚いベタ焼き用の押さえガラスです。

写真量販店で販売しているガラスは薄くて軽すぎて、ネガ押さえには頼りなかった。結局ガラス板を両手で押さえなきゃ使えなかった。

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このくらいの厚みがあって重たくないとカールしたネガは抑えられません。

プロの機材は特注品や加工品が多い。

あとはバットとピンセット、液温計とハイポ計(定着液の状態を調べる)です。

良いプリントを作りたかったら、これくらいは必要です。

プリントのオーソリティーの言葉ですよー。

 

ピント合わせだってコツがあります。

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精密なピント合わせに使います。

フィルムの銀粒子を見てピントを合わせます。

開放で通常は合わせますが、このルーペは絞ってもその状態がわかります。

このルーペで見ると、ダメ引延しレンズだと、絞りによる焦点移動がわかります。

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鏡には破損防止のカバーが付いています。

ふたを開けた状態です。

フィルム現像用のマスコのタンクもお付けします。

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フィルム現像ではナイコールやLPLのタンクでは現像ムラがどうやってもでます。

マスコのタンクは若干大きくて液量の多いので、フィルム間隔が広くムラが出にくい。

ナイコールタイプはコンパクトなのはいいけど、ムラを消すことはできないので致命的だと思います。

ちまたではナイコールタイプで現像して苦労されている方がいるけど、、、ムラのない完全なフィルム現像は極めて難しい。私だってできなかった。

マスコだったら、素人でもできる可能性があります。

それくらいフィルム現像は難しいものなのです。

昔の白黒プロラボは深さ2m近いタンクで現像していました。

リールに巻かないで、いわゆる吊るし現像です。

普通のリールを使ったら、プロラボだってムラを作っていましたから。白黒現像に限らず、カラー現像でもムラがあったなんて、アナログを知らないデジタル世代の方たちには想像がつかないでしょ。だから、アナログをこれからやられる若い人には、、、よっぽどの覚悟と美意識が必要ですよ~~~。難しいのなんの、頑張ってくださいーーー。

シビアなフィルム現像にはマスコは絶対です。

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これはブローニ2本タイプ。

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35mm2本タイプ。

予備リールが2個あります。

マスコのタンクは、上のキャップを外して液を入れると、リール中心の空洞を伝わって下から一気に液が満たされます。

液の注入が10秒とかかりません。

ナイコールのようにシャワーのように上から降り注いで時間がかかると、それだけでムラができるのは必須です。

このほかに4切りバット4枚とピンセット、液温計、ハイポ計(定着液の測定)をおつけします。

デジタル時代になって、現像を始めようとされている方たちは、昔、我々がこりて止めたことをもう一度最初から始めています。

キレイなフィルム現像やプリントするには、それなりの知識と経験が必要です。いきなりセットを揃えても良いものはできません、それがアナログです。

編集者やデザイナーが若いと、完璧なアナログ写真を知らないので、つまらない感性に感激して「いいね」と言ったりしている。

やるなら、昔の先人がやった以上のものを見せてください!


これだけあれば現像作業はできます。アナログの現像は科学的な作業です。だから、、、だらしない人はチャレンジしないほうがいいでしょ。それができなきゃ、日本のモノ造りが世界に飲み込まれようとしているのと、同じようにレベルダウンで自己満足だけが残ります。


若い人がアナログをやるならば、超然としたレベルで業界に挑戦してほしい。

強くそれを望みますーーー。

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